第八章

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ドクドクと全身が心臓になったみたいに、鼓動が波打っている。 「要…お前を抱くから」 「ッッ!」 なんだコレ。全身の熱が顔に集まったかのように熱くなる。 射るように見つめる尚吾の顔が雄を感じさせる。何時もの雰囲気と全然違う …心臓壊れちゃうんじゃねぇかな。凄い恥ずかしい。 「良いか?」 「…恥ずかしい事聞くな」 最後にバカと付け足し、少し顔を逸らし、右手甲で顔を隠し隙間から尚吾の顔を見る。 本当は顔見るのすら緊張してるってのに。 隙間から見える尚吾は軽く笑っていて…余裕を感じる。 「本当…可愛すぎるよ?要」 「…俺ばっか余裕無くてバカみたい」 その言葉に腕を取ると尚吾の胸に当てられる。そして気付いた。 俺と同じくらい…いや、それ以上にドクドクと高鳴っている。 「分かった?俺本当は余裕なんて無いよ。本当は今直ぐにでも抱きたい。…でも傷つけたくは無いんだ。」 額に軽くキスを落とすとそのまま、額と額を合わせる。 …そっか。尚吾も余裕無いのか。 「今なら…まだ我慢出来る。後悔しないか?」 「…あぁ。忘れさせて」 許さなくて良い。 お前の気持ちを利用する最低な俺の事なんて。恨んでも良い。 目を閉じると溜まった最後の涙の雫が頬を伝い流れ、唇が重なる。 ……直哉大好きだ。 、
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