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ドクドクと全身が心臓になったみたいに、鼓動が波打っている。
「要…お前を抱くから」
「ッッ!」
なんだコレ。全身の熱が顔に集まったかのように熱くなる。
射るように見つめる尚吾の顔が雄を感じさせる。何時もの雰囲気と全然違う
…心臓壊れちゃうんじゃねぇかな。凄い恥ずかしい。
「良いか?」
「…恥ずかしい事聞くな」
最後にバカと付け足し、少し顔を逸らし、右手甲で顔を隠し隙間から尚吾の顔を見る。
本当は顔見るのすら緊張してるってのに。
隙間から見える尚吾は軽く笑っていて…余裕を感じる。
「本当…可愛すぎるよ?要」
「…俺ばっか余裕無くてバカみたい」
その言葉に腕を取ると尚吾の胸に当てられる。そして気付いた。
俺と同じくらい…いや、それ以上にドクドクと高鳴っている。
「分かった?俺本当は余裕なんて無いよ。本当は今直ぐにでも抱きたい。…でも傷つけたくは無いんだ。」
額に軽くキスを落とすとそのまま、額と額を合わせる。
…そっか。尚吾も余裕無いのか。
「今なら…まだ我慢出来る。後悔しないか?」
「…あぁ。忘れさせて」
許さなくて良い。
お前の気持ちを利用する最低な俺の事なんて。恨んでも良い。
目を閉じると溜まった最後の涙の雫が頬を伝い流れ、唇が重なる。
……直哉大好きだ。
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