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「…じゃあ直哉。お互い頑張ろうな」
自分で望んだこと。
それなのに、いざこうなると泣き出しそうになって居る自分が、滑稽に思えてくる。
…次逢う時は、本当の親友として、逢えるかな。
「帰って来る日は…何時なんだよ。」
少しふてくされ気味に、唇を尖らせている直哉に、自然と笑みが溢れる。
「そんなのまだ分からないよ。気が早いよ。直哉」
「…そう…か。帰って来る時は、絶対に必ず連絡しろよな」
「はいはい。分かったよ。必ずするよ」
「…本当は俺お前と…」
直哉の声を遮るように、ホームに列車が到着する
その為、直哉の言って居た言葉が聞こえなかった
「ごめん。良く聞こえなかった。何?」
「…いや。なんでもねーよ。馬鹿要」
その言葉に、苦笑いを浮かべ荷物を持ち、列車に乗り込む。
向かい合うと、何か妙に照れる。
ドラマを見て、こんなシチュエーション馬鹿にしてたけど、これからは馬鹿に出来ないな。
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