第九章

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「…ハハッ」 俺を解放したあと、気恥ずかしさからお互いに無言で居ると、いきなり笑い出す尚吾。 …なんだ?いきなり 「どう、したの?」 「あぁ、いや。悪い…何か俺、キモかったなぁ…と。あとなんか、マヌケだなぁっと思ったら笑えてきた」 そう言って柔らかく、楽しそうに笑うものだから、つられて俺も声を出して笑ってしまう。 ひとしきり笑うと、落ち着いた尚吾が『それと』と呟き 「要が大好き…いや、愛してるって更に、分かったしな。」 「ッッなっ!!」 不意打ちの言葉に顔にまた熱が集中していく。 「アハハ、顔まっか」 「ウルサイ!喋るなっ!」 … 今、思い出すだけでも恥ずかしい。あんな事をサラッと言ってくんだもんなぁ。本来はヘタレのクセに。 …あれ?昔は確かにヘタレだった 今は、普段はヘタレだけどヘタレじゃないしなぁ。 男前ヘタレか? なんだ?男前なのか?ヘタレなのか?どっちだろうか。 チラッとケーキを食べる尚吾を盗みみると 「ねぇねぇ!尚吾君ってモテるよね?何人と付き合った?絶対童貞じゃないよね?」 「へっ!!?ど、どっちです…かねぇ?…ひてないですよ!?」 …ドモリスギ。噛みすぎ。 やっぱり…ヘタレだよね。ギャップにドギマギしてしまうのも事実。 「姉貴、止めたげなよ?尚吾困ってんじゃん」 願わくば、こんな時間がずっと続けば良いのにと思ってしまう。 、
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