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「…ハハッ」
俺を解放したあと、気恥ずかしさからお互いに無言で居ると、いきなり笑い出す尚吾。
…なんだ?いきなり
「どう、したの?」
「あぁ、いや。悪い…何か俺、キモかったなぁ…と。あとなんか、マヌケだなぁっと思ったら笑えてきた」
そう言って柔らかく、楽しそうに笑うものだから、つられて俺も声を出して笑ってしまう。
ひとしきり笑うと、落ち着いた尚吾が『それと』と呟き
「要が大好き…いや、愛してるって更に、分かったしな。」
「ッッなっ!!」
不意打ちの言葉に顔にまた熱が集中していく。
「アハハ、顔まっか」
「ウルサイ!喋るなっ!」
…
今、思い出すだけでも恥ずかしい。あんな事をサラッと言ってくんだもんなぁ。本来はヘタレのクセに。
…あれ?昔は確かにヘタレだった
今は、普段はヘタレだけどヘタレじゃないしなぁ。
男前ヘタレか?
なんだ?男前なのか?ヘタレなのか?どっちだろうか。
チラッとケーキを食べる尚吾を盗みみると
「ねぇねぇ!尚吾君ってモテるよね?何人と付き合った?絶対童貞じゃないよね?」
「へっ!!?ど、どっちです…かねぇ?…ひてないですよ!?」
…ドモリスギ。噛みすぎ。
やっぱり…ヘタレだよね。ギャップにドギマギしてしまうのも事実。
「姉貴、止めたげなよ?尚吾困ってんじゃん」
願わくば、こんな時間がずっと続けば良いのにと思ってしまう。
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