1455人が本棚に入れています
本棚に追加
「…なに?何が言いたいわけ?」
仰向けになり尚吾を見上げる。
暗い部屋では、尚吾が今どんな顔をしているのかは分からない。
「…直哉君と会わなくて良いのかって聞いてんの。」
やっぱり。これが言いたかったのか
『どいて』と言って溜め息をつき尚吾をどかし起き上がる。
…どうして会えると思う?何を話せば良いんだ。
アノ光景をみたあとに冷静に話なんて出来るわけがない。
「あんなの見た後に、会いたいなんて思わないだろ」
「でも!…会うべきだ」
どうして?何でそんなに会わせたがる?それこそ余計なお世話だ。
「ウルサイ。会うかは自分で決める。何?そんなに会って欲しいのか?直哉と…ッッた!」
咄嗟にカーテンを握るが意味をなさず、勢い良いよく倒されまた組み敷かれた。
そして、きっと怒った顔をしているだろうと思っていた尚吾の顔が
月明かりに照らし出され、漸くハッキリみえた。
…全く予想していなかったこんな顔
複雑そうな泣きそうな顔をして、笑っていた。
「会わせたい訳無いだろ…?本当はずっと閉じ込めてたいくらいなんだから。誰にも見られないように」
、
最初のコメントを投稿しよう!