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「ッッ…ごめん。出てくる」
尚吾から抜け出し、何も持たずに家を飛び出した。
また尚吾を傷つけた。
分かってるよ…優しいお前の事だ。自分の感情より俺を優先してくれてるって事も。全部。
…俺は自分の事ばっかりで、お前を振り回し傷つけてばっかりだ。
「ヤバイ…クソ寒いんだけど」
パーカーにスウェットと真冬にコレだけは流石に寒すぎた。
フラフラと無意識にやって来たのは、昔よく来た公園。
ブランコに座り、夜空を見上げ色々と思い返す。
直哉とは昔から一緒に居て、何をするにも離れた事は無くて。
片想いをして…逃げ出して…でも忘れられなくて。
尚吾とは高校で出会って
秘密を話して、もっと深く仲良くなれた。そして
告白したりされたりと
慌ただしい高校生活になって…俺の中でも尚吾は、只の友達じゃなくなっているのは確かで。
ー…でも、変わらず直哉は俺にとって一番大事な存在で。
「…ハァ」
溜め息をつくと、白い息が出て空中に消えていく。
この息みたいに悩みが全て消えてしまえば良いに。
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