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直哉-side-
家に帰宅して携帯をみるとメールが来ていた。
直ぐに確認するとそれは朔からで。
要を駅で見掛け、知らない男と居たことを知らせる内容だった。
…は?要帰って来てんの?
さっきまで姉ちゃんと居たけど何も言ってなかったぞ。
…
あ、そう言えば『応援はするかは別』と満面の笑みで言ってたっけ。
待ってる子達が居るとも言ってたし…姉ちゃんやっぱドSだわ。
直ぐに朔に返事をし、詳しく聞かせろと言ったら朔の家で会うことになり話をしていた。
そして、多分…と言うか絶対要と一緒に来ている奴は、あの時要を連れ去った奴だと確信し、どうやって要と会うかを酒を飲みながら考えていた。
結局決まらず飲むだけ飲んで解散した訳だが。
どうしたものかとイライラしながら
雪の積もる道を震えながら帰ると、要と良く来た公園に差し掛かった。
…ちょっと立ち寄ってみるか。
何かに導かれるように久々に足を踏み入れると、こんな時間にも関わらず誰かがブランコに乗っていた。
キィ、キィ、と鳴るブランコの音に合わせるかのように『バーカ!バーカ!』と呟く人物。
近付く度ハッキリしてくるシルエット。しかも聞き覚えのある声。
誰だか分かった瞬間ドクドクと鼓動が一気に高鳴るのが分かった。
まさか…こんな直ぐ会えるなんて。
「…誰が馬鹿なんだ?」
と声をかけるとビクーッと跳ね上がる身体。声を掛けられるなんて想像していなかったんだろう。
恐る恐る振り返り、遊具の周りにあるライトに照らし出された顔。
それはやっぱり、会いたくて仕方なかった奴で。
「…やっぱり本物か。幻かと思った」
とつい本音が声に出てしまうくらい、会えた事が嬉しくて。
そして、逃げ出す要を捕まえ思い切り抱き締めた。
ずっと触れたくて…伝えたい想いがあるんだ。
逃がしてなんかやるかよ。
「頼む…逃げるな。」
要…お前を愛してるんだ。
誰よりも何よりも。お前の事が
、
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