第九章

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尚吾-side- 飛び出していった要を、暫くして探しに行った。 そして見てしまったのは、抱き合う二人だった。 …そうか。会ってたんだ。 暗闇に浮かぶ二人を見つめて居ると、ズキズキと胸が痛む。 これで、俺も必要無くなるのかな。 でも…これで良かったのかもしれない。もう泣く姿を見ないですむ。 そう、これで良かったんだ - 本当ニ? 当たり前だろ - 嘘ツキダナ 嘘なんて言ってない - 本心ジャ無イ癖ニ イッソノコト滅茶苦茶ニシテ自分ノ物ニシタイクセ…。 「ッ!うるせぇよ!」 急いで要の家に帰り乱れた呼吸を整える。 良かったと思う自分と同時に 奥底の感情はドロドロと醜いものだ。 諦めないといけないと分かりながらも、そう簡単に消せる訳がない。 「…好きだ。大好きだ…要。」 要に渡そうと持っていた上着に、軽くキスをする。 諦め悪くてごめんな。 、
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