第十章

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- 要。俺お前が信じるまで誰とも付き合わねぇから。 月明かりに照らされ、真剣な表情の直哉を昨日の事のように思い出す。 そんな事不可能に近いのに。もう二度と会うつもりもない、そんな俺を本当に待っているのだろうか…。 --  今でも。 「…なめ!」 誰かが名前を呼ぶ声。そしてグラグラと身体が揺れる感覚に、不快感を抱きながら徐々に頭が冴えてくる。 「要!起きろって!」 「…ん~。もう少し」 モソモソとタオルケットにくるまると、思い切り引き派がされた。 「要?いい加減起きれるようになろうか?10時からの講義必修だろ~が」 あ~、そう言えばそうだっけ。 ゆっくり起き上がり、漸く目を開けば呆れた顔をした尚吾。 「おはよ~。尚吾」 「はいはい。ったく!一人暮らし余裕って言ってたのは何処の何奴だっけ?顔洗って来い。飯出来てるから」 「…あい」 あれから二年が経ち、俺と尚吾は無事に熊本のK大に合格した。 今は大学二年。漸くこっちの生活にも慣れてきたのだが やっぱり朝は弱く、毎日こうして尚吾が起こしに来て一緒に大学に行く事が日課になっている。 因みに、尚吾は同じアパートの隣の部屋を借りている。 あぁ…でも。久々に直哉の夢を見たなぁ。まだ覚醒しきっていない頭で洗面台に向かい顔を洗う。 、
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