第十章

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直哉-side- ドクドクと心臓が高鳴る。 オバチャンと会った後何気なく要の話題を振ると、分かりやすいくらいに顔に出る母さん。 本当嘘つけないな。 問いただせば婆ちゃんの居る九州の大学に居るらしい。 そんな遠くに行ってたのかよ。 あのバカ要。 でも…漸く会いに行ける。 「…俺九州行ってくる」 「ちょ、ちょっと待ってよ!要ちゃんにも許可貰わないと!」 「んなことしたら逃げるだろ!」 つい声を荒げてしまった。 だけど…会いたくて仕方無い。 忘れるなんて出来ねぇから。 「…何でそんなに必死なの?要ちゃんはお隣さんよ?何時でも会おうと思えば会えるじゃない」 困惑の表情を浮かべる母さん。 …どう説明する? 「喧嘩してるの?だったら要ちゃんが帰って来てからでも」 「それじゃおせぇんだよ」 そうきっと。これ以上引き伸ばすと手遅れになる予感がするんだ。 「母さん…俺は」 、
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