第十章

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要-side 「はい。それじゃあ今日は終わりだ」 全ての講義を受け終わり帰る支度をする。 あの連絡から一週間。 特に直哉から連絡はない。 …まだバレてないのか? つい溜め息をつくと、ポンと頭に何かが触れ振り返れば、後ろの席に座っていた亮が笑っている。 亮とは大学で仲良くなった奴だ。 「お前最近溜め息つきすぎばい。どがんした?」 「…別に~。ちょっとな」 最初は方言に悩まされたが、最近はある程度聞き取れるようになった。 まぁ、婆ちゃんの喋る言葉は未だに理解出来ない時あるけど。 投げられた紙を床から拾い上げ席を立ち一緒に外に出る。 「ったく。お前は本当クールってか弱みを見せんな」 「そがんこと無いやろ」 あ…最近癖で方言たまに出るんだよな 「そうかぁ?まぁ無理矢理には聞かんけどため込むなよ?そ~いえば今日尚吾は?一緒じゃなかと」 「ん、ありがとう。今日はバイトで早めに帰った」 それからは今度合コンしようぜ!とか他愛ない会話をしながら帰っていると 門付近が少し騒がしい。 、
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