第十章

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どのくらい経っただろう。 ガチャガチャという音で目が覚める。時計をみれば深夜1時だ。 テーブルの上にはビールの缶が散乱していた。 いつの間にか寝てしまっていたようだ。それにしても…こんな時間に帰ってきたのか。 側に置いていた携帯を手に取ると着信とラ○ンが入っていた。 【着信:二件】 二件とも要からで。ラ○ンを開けば要からメッセージがあった。 【何度も電話してごめん。返事遅くなった。今日は帰り遅くなりそう。心配しなくて良いから】 ……そうか。もう俺は必要ないのか。 分かってた。そう分かってたのに。 こんなにも辛いだなんて。 「心臓イテェ…」 ギュッと心臓のある場所の服を握り締める。 惚れた相手の幸せを喜んであげられるほどまだ大人になりきれず。 初めて本気になった相手。ただ、ただ自分の手で幸せにしたかった。 、
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