第十章

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尚吾-side 【昼間いつもの場所で待ってる】 ヤバいな。早く返事しないと。もう既読つけちゃってるし。 ガシガシと頭をかき、自然と溜め息が漏れている。 …不自然に思っただろう。きっと不安にさせているに違いない。 それでも今は会いたくない。 てか初めてだな。要に会いたくないなんて思ったのは。 何度目か分からない溜め息つくと、ポンと誰かが肩を叩く。 「どうしたの~?もう講義終わったのに溜め息ばっかりついてるし。何かあった?」 「佐々木さん…いや別に。そろそろ出るところ」 受ける講義が何個か一緒でたまに会話するようになった佐々木さんが、心配そうに声をかけてきたが 避けるように席を立つ。 あ~、こんな時は誰とも会話したくないんだけど。心配してくれてるんだろうがそれが迷惑というか。 「…ねぇ、尚吾くん」 「なに?」 若干面倒だと思いながら無視するわけにも行かず足を止め振り返ると 考え込む仕草をする佐々木 そして 「私が一緒に居たらダメ?」 「…は?」 「いや、何だか待ち合わせ場所に行きたくなさそうだったから。いつもだったら鈴谷君と居る時間でしょ?」 何でそんな事知ってんだ。と思ったら意外と俺達二人は人気者で学内ではちょっとした有名人だと聞かされた。 「まぁ、それは置いといて。鈴谷君と喧嘩でもした?」 「…まぁそんなとこ。佐々木さんには悪いけど遠慮しとく」 きっぱりと断った筈だが後ろをずっと付いて来る佐々木。 …一体何がしたいんだよ。 、
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