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直哉-side-
門前で、ソワソワと一人要が出てくるのを待つ。
…昨日はあんまりゆっくり話できなかったし。今日は話したいんだよな。
久々に要に触れて理性が一瞬で飛びそうになった。
相変わらず白い肌…あそこに痕をつけたらどうなる。きっと目立つだろう。
…俺だけの物だと刻みこみたい。そしたら誰も要に触れないだろ
って。こんな場所でなに考えてんだ。馬鹿か俺は。
ふと伏せていた視線を上げるとある人物と目が合う。
『……ぁ』
目が合った瞬間互いに少し顔を歪める。そうか…やっぱりこいつもこの大学に居たのか。
視線は逸らさない。かと言って話しかける訳でもない。
話す事なんて無いが…こいつには言いたい事がある。
「あの、少し話しませんか」
…まさか向こうから言い出してくるとはな。近付いて来る男に軽く舌打ちをし『あぁ』とだけ返事をし少し後ろを歩き始める。
あの時、要は俺よりこいつを優先して去って行った。
嫌でも忘れる事が出来ない奴だ。
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