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人目の少ない路地裏で立ち止まり振り返ると開口一番に
「…それで?一体何をしに来たんです?こんな所まで。」
嫌悪感を剥き出しで言われ、こいつとは本当に馬が合わないと思う。
それに…言われっぱなしも腹が立つわけで
「何であんたにそこまで言われないといけない?と言うか…たかが高校の同級生が同じ大学に何故居る」
まぁ、理由は分かるがこいつの口から直接聞き出す。
「はっ、愚問だね。そんなの要と一緒に居たいからに決まってるでしょう。俺は要が好きだ。それより…ナオヤ君。俺の質問に答えて貰おう。何故ここに居る?」
馬鹿にした言い方にカチンとくる。
こいつも同じように俺を嫌っているようだ。
「はっ、俺が来たことすら知らせて貰えなかったのか?要から」
同じように馬鹿にしたように言えば、少しだけ歪む口元と逸らされた瞳。だけどそれも一瞬の事で
「……関係ない。要が俺を必要だとしてくれるだけで良い。それに俺はナオヤ君。君の事も知っている。それで傷ついた要も知っている。だから!…ッ」
急に口を紡ぎ黙り込む。
確かに俺はこいつの名前も何も知らない。そして…俺のせいで傷付いた要の側にいたのはこいつ。
俺の知らない4年間の要を唯一知る存在…か。
「…傷つけた事は認める。それでも、諦めきれなかった。都合がいい奴だと思われても仕方ないのも知ってる。」
「っ、違くて。ごめん。こんな酷いことを
言いたかった訳じゃなくて」
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