第十一章

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尚吾-side- 「お疲れ様でしたぁ」 簡単に挨拶し着替えを済ませて、バイト先を後にする。 家路につきながら、昼間の事を思い返す。 直哉君と初めて直接会って話をしたが、本当に男からみても良い男で。 …なんでもそつなくこなすようなタイプで、周りからも慕わられてる。 でも、きっと心を許してるのは要だけなんだろう。 ……不器用なヤツ。 まぁ、要が好きになる相手だ。悪い奴じゃないって事はわかってた。 それに、何だか直接話をしてスッキリもしたのも事実。 最後は意地悪して住所教えてなかったけど…既に要に聞いたのかな。 携帯を取り出し、ライ○を開くも要からは通知は無い。 そしてある事実に漸く気付き、血の気が引いていくのがわかる。 昼間要に結局返事しないまま、既読無視しちゃってる…。 「うわ、どうしよう。あのゴタゴタのせいですっかり……直ぐに返事返すか…いや、直接会うべきだな。」 ブツブツとつい独り言が漏れる。だがそんな事気にしては居られない。考える事を止め 急いで家に帰るため走って駅を目指す。 要…絶対怒ってるよなぁ 偶然にも丁度来ていた電車に乗り込み、呼吸を整える。 自分の過失とはいえ、若干佐々木が恨めしく思えてならない。 ついつい深い溜め息が溢れる。 「あれ、岩崎くん?」 、
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