1455人が本棚に入れています
本棚に追加
尚吾-side-
「お疲れ様でしたぁ」
簡単に挨拶し着替えを済ませて、バイト先を後にする。
家路につきながら、昼間の事を思い返す。
直哉君と初めて直接会って話をしたが、本当に男からみても良い男で。
…なんでもそつなくこなすようなタイプで、周りからも慕わられてる。
でも、きっと心を許してるのは要だけなんだろう。
……不器用なヤツ。
まぁ、要が好きになる相手だ。悪い奴じゃないって事はわかってた。
それに、何だか直接話をしてスッキリもしたのも事実。
最後は意地悪して住所教えてなかったけど…既に要に聞いたのかな。
携帯を取り出し、ライ○を開くも要からは通知は無い。
そしてある事実に漸く気付き、血の気が引いていくのがわかる。
昼間要に結局返事しないまま、既読無視しちゃってる…。
「うわ、どうしよう。あのゴタゴタのせいですっかり……直ぐに返事返すか…いや、直接会うべきだな。」
ブツブツとつい独り言が漏れる。だがそんな事気にしては居られない。考える事を止め
急いで家に帰るため走って駅を目指す。
要…絶対怒ってるよなぁ
偶然にも丁度来ていた電車に乗り込み、呼吸を整える。
自分の過失とはいえ、若干佐々木が恨めしく思えてならない。
ついつい深い溜め息が溢れる。
「あれ、岩崎くん?」
、
最初のコメントを投稿しよう!