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【今から会えないか】
ドキリと鼓動が高鳴る。なんだか昔に戻ったみたいだ。今はまた会える距離に直哉がいる。
時間を確認すると21時を過ぎている。どうりで頭が少し重く感じる訳だ。
「…今から、かぁ」
寝て頭はスッキリした筈なのに…また尚吾と直哉の事を考えて頭がグルグルして、どうしたいのか、どうするべきなのか分からない。
――♪♪♪
…なんだよ。今更こんな時間に。と思いながらも通話ボタンを押してしまう自分がいる。
「もしもし」と、素っ気なく出ると焦っているような声が耳に届く。
「ごめん!要、連絡してなくて!」
走っているのか荒い呼吸。ガサガサとなにかに擦れているような音も聞こえる。
…なんだよ。突き放したり普通に戻ったり
訳わかんねぇよ。
「別に…いいよ。」
「はぁ、今、何処にいんの、?」
「…家。今から出かけるけど」
まぁ…まだ布団の中なんだけど。電気を付けようと
ノソノソと起き上がると同時にガチャガチャッと鍵が開く音。そして荒く開く扉の音。
「要!?ってか暗っ!本当にいんの?」
電話は切れているが、玄関からは尚吾の声が聞こえる。そしてバタバタとこっちに向かって聞こえてくる足音。
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