第十一章

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ガチャッと勢いよく扉が開く。そして勢いよく入って来たのは 息切れしている尚吾だった。 「はぁ、よかった…まだいた」 安心したように笑う尚吾。なんだよ…突き放していおいて 今更そんな風に接してくるなんて。何考えてんだよ。 頭の中では言いたい事が沢山あって。でもそんな事を言うのを 忘れるくらい安心している自分も居て。 「何、慌てて入って来てんの」 ホッとしたら涙腺が少し緩んで…慌てて視線を外す 「ごめん、要…俺返事してなくて 」 なんで返事出来なかったんだよ 何かあって?あの女の人と居たから? もう、俺に関わりたくないんじゃないの…なんて口が裂けても言えない。 ズルい…尚吾はズルいよ 申し訳なさそうに謝る姿は、あの人とやましい事があったようには思えない。 汗だくになって、必死になって帰ってきた 「いいよ別に。俺今から出かけるから」 頭では理解してる。でもモヤモヤしてつい突っぱねた言い方をしてしまった 、
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