第十二章

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きちんと意識はあるのに、頭がふわふわしてボーッとしてきてどうしたらいいのか分からず笑ってしまった。 横の二人はバーテンの人に出されたカクテルを煽るように飲み干している。 …あれ。そもそもどうして三人で集まって飲んでいるんだっけ? それにどうしてここに直哉がいるの? 「どうして?…直哉がいるの?幻?」 髪の毛に触れるとピクリと動く頭。 懐かしい感触に涙腺が緩みそうになる。 反対の席からは尚吾の「ちょっ、要なにしてんの」と少し焦る声が聞こえる。思い出した、とばかりに今度は反対側に座る尚吾に 「…なんだよぉ、尚吾なんか女の子とイチャイチャしてたくせに」 昼間の光景を思い出してしまい、悪態をつきながら入らない力で焦っている尚吾の肩を叩く。 あぁ、嫌だ。言うつもりなんて無かったのに 「…なんだよぉ、直哉も尚吾も…どうして」 あぁ、どうしよう。何だかとても眠くなってきた 、
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