第十二章

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「おい、こいつ酔ったら…いつもこうなのか?」 何か言いかけて力尽きたように、カウンターにうつ伏せになり寝始めた要に 顳かみをピクピクさせ、左手で自身の顔を覆い隠しながら思い切りため息をつく直哉。その問に 「…いつもはここまではないけど、まぁ似たような感じ…かな」 と項垂れながら言う尚吾。 その返事に二人は再度重いため息をつく。 「…取り敢えずここ出るか」 「あぁ、そうしよう。すいません勘定お願いします」 来た時とは打って変わって、哀愁漂う二人になんとも言えない気持ちになりながら「またのご来店を」と笑を浮かべ送り出すバーテンダーの店員。 ちなみにここの店の名前は 【felicita】 ー訪れるお客様に幸あらんことを そう願いを込めて…。 、
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