第十二章

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「要?大丈夫か?気分悪ぃのか?」 心配そうな声に首を横に振る 「ごめ、大丈夫。酔ってた…んだよね?…俺覚えてなくて…迷惑かけた」 恥ずかしくて顔上げられない… そのまま謝るとジャリっと砂の上を歩く音。 「大丈夫だから、ホラ、顔上げろ」 そう言われながらグイッと腕を首元から外され、もう片方の手で顔を上げられた 力を入れ拒否するが簡単に負けてしまう 「~~ん!なお、離せって!」 顔を合わせないよう、顔を背けようとするが顔を固定されておりそれを許されない 「イヤだ、直哉手離してよ、痛い」 「ッッ、お前、そんな顔して何言ってんだ」 …え 言われた意味が分からず、思わず閉じた瞳を開けると目の前には見た事のない顔をする直哉。 顔って言うか…刺すような鋭い瞳 そして熱い手にらさらにこもる熱 思わず息を飲んでしまう 知らない、こんな直哉は見た事ない 「な、お」 思わず発する声が、身体が震えている 身体は正直だ…今初めて直哉に恐怖を抱いてしまっている。告白した時とは違う恐怖 「…要、お前他の奴にも酔ったらそんな顔向けてんの?良くそれで今まで無事だったな」 「え、」 その先は何も発せられること無く、俺を捕食するかのように口を開き近付いてくる 「んっ、ふぅ」 荒々しく奪うようなキス それでもどこか優しくて 「要…」 名前を呼ぶ声は優しくて、吐く吐息も熱くて だんだんとボンヤリとしてくる頭 「ッッ、あッ!?」 声が漏れ、ビクリと身体が跳ねる 服の中に侵入してくる手 「直哉、やめ」 震える手で侵入する腕を掴み、イヤイヤと首を振る 。急に溢れ出てきた涙 「~~ッッ!ー!」 、
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