第十二章

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まだ少し震える要を抱えベンチに横にさせる 理性が全く働かなかった。 目の前にしゃがみながら話を続ける 「…ごめん、また泣かせちまった」 涙の跡を指ですくい、その涙を舐める 「ッッ」 そんな俺を見て、また欲情させるような顔をする要の頭をグシャリと撫でる 「…泣かせた事は謝る。けどやった事に後悔はしていない。」 足音がだんだん近くなってくる 「…いい加減俺の気持ちを認めてくれ、真剣だよ。俺は本気でお前を好きだ…傷付けたく無かったのに、あんな簡単に理性が飛ぶほどに」 「ッッ直哉、おれ」 「その顔、他の奴には頼むから見せるな…今戻ってきてる尚吾には絶対に。俺は頭冷やしてくるから」 ポンッと頭に手を乗せ離したタイミングで、尚吾が公園に入ってくる。 「悪ぃ!俺トイレ行ってくるから宜しく」 要は今、丸まっており顔は見えない …多分バレないとは思うけど 自身に、呆れや怒りを覚えながらトイレに向かい洗面で顔を洗う ふと、顔を上げると分かってしまった 薄暗いライトの元でもハッキリと分かる。鏡に写る 欲情する男の顔。熱の籠る鋭い目 グシャグシャと乱暴に髪を掻く 要はこの顔をみて怯えたのだろう 「はぁ、我慢出来なかった…姉ちゃんにバレたら殺されそう」 怒られる所を想像したら結構下半身の熱は治まったが、やはり頭から離れない。自然と出る溜息に一発自分でゴンッと拳で頭を叩き2人の元に戻った。 、
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