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まだ少し震える要を抱えベンチに横にさせる
理性が全く働かなかった。
目の前にしゃがみながら話を続ける
「…ごめん、また泣かせちまった」
涙の跡を指ですくい、その涙を舐める
「ッッ」
そんな俺を見て、また欲情させるような顔をする要の頭をグシャリと撫でる
「…泣かせた事は謝る。けどやった事に後悔はしていない。」
足音がだんだん近くなってくる
「…いい加減俺の気持ちを認めてくれ、真剣だよ。俺は本気でお前を好きだ…傷付けたく無かったのに、あんな簡単に理性が飛ぶほどに」
「ッッ直哉、おれ」
「その顔、他の奴には頼むから見せるな…今戻ってきてる尚吾には絶対に。俺は頭冷やしてくるから」
ポンッと頭に手を乗せ離したタイミングで、尚吾が公園に入ってくる。
「悪ぃ!俺トイレ行ってくるから宜しく」
要は今、丸まっており顔は見えない
…多分バレないとは思うけど
自身に、呆れや怒りを覚えながらトイレに向かい洗面で顔を洗う
ふと、顔を上げると分かってしまった
薄暗いライトの元でもハッキリと分かる。鏡に写る
欲情する男の顔。熱の籠る鋭い目
グシャグシャと乱暴に髪を掻く
要はこの顔をみて怯えたのだろう
「はぁ、我慢出来なかった…姉ちゃんにバレたら殺されそう」
怒られる所を想像したら結構下半身の熱は治まったが、やはり頭から離れない。自然と出る溜息に一発自分でゴンッと拳で頭を叩き2人の元に戻った。
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