第一章

8/10

1455人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
こんな会話を、出来る奴が現れるなんてな。 想いもしなかった。 …ついでに俺も聞いてみるか。 「なぁ…」 「ん?なんだよ」 「お前さ…俺の事気持ち悪いって思わなかったのか?普通拒絶しねー?」 いくら気にしない。って言っても、そんな奴が同室だったら、居心地悪いだろうに。 「気にしない。って言っただろ?」 …それは知ってる。 俺が知りたいのは 「まぁ、他に理由があるとすれば…要だったから?かな」 俺だったから? どう言う意味だ? 「意味が分からん」 「ハハッ。まぁ、他の奴だったら、もしかしたら多少なりと気になるかもしれないけど、要にはそんな感情出なかったから。普通に好きだよ」 そう言って優しく笑う尚吾に思わず、ドキッとしてしまった。 …ヤバい 本気で少し泣きそう。 『普通に好きだよ』 ありのままの俺を知っても、こんな風に言ってくれる奴が居たなんて… 「…っ!!!」 涙で視界が少しボヤけ、慌てて枕で隠す。 尚吾に泣かされるなんて、思っても見なかった。 「…要?大丈夫か?」 「ん」
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1455人が本棚に入れています
本棚に追加