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「要ー!お前さぁ夏休みどうすんの?」
「…」
あぁ。いよいよ夏休みまで一週間と少し。
尚吾は、勿論地元に帰省するらしい。
俺にもここ数日毎日のように
友達や母親や姉貴…そして直哉から『いつ帰ってくるの?』と連絡が来る。
『早く帰省日教えろ。てか…返事くらいしろ』
はぁ…まだ逢えねぇよ
直哉からのメールを見て、またため息が出る。
「帰りたくねぇ」
「…好きなんだろ?普通は逢いたいもんだろ」
会いたいに決まってる
だけど…まだ駄目なんだよ。今の俺じゃ。
「俺…適当に帰るから…多分」
「それじゃ、心配して地元に帰れねぇよ」
「え…」
ムカつく。真剣な表情のこいつって無駄にカッコイイから、ドキッとしてしまう。
こいつ…もしかして俺に気が…
「俺等の部屋が無事か不安で夜ねれねーかも」
だよなー!!うん。勿論分かってたよ。
ちょっと、色男を演出してみただけだ。
「…どーゆー事だ。死にたいのか」
「嘘です!!冗談に決まってるだろー。」
アハハと誤魔化すが、絶対本音だろ。
しようとすれば、俺は完璧に出来るっつの。
ガキ扱いしやがって。
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