1455人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
部屋に戻ると、心なしかいつもより広く感じる。
…まだ約4ヶ月なのに、俺は尚吾に心を許す関係になっていた。
何か、不思議な感じだなぁ。と思いつつ自分の机に目をやると、着信を知らせるランプが点滅している。
「…メールか」
受信ボックスを開くと、【直哉】と受信相手の名前を知らせる。
はぁ…何だよ…母さんか姉貴に聞いてないのか。
クシャッと髪を掴むようにして椅子に座り込む。
「まだ…無理なんだって」
しかし、目を通さない訳にもいかず、内容を見るとさらに、心臓に悪い事が書いてあった。
【俺の彼女と、8月10日夏祭り行かないか】
ドクンドクンと、心臓の音が大きくなるにつれ、キーンと耳鳴りまでしてきた。
【彼女】…その響きはあまりにも衝撃的だった。しかも…8月10日から、部活は丁度5日間休みだ。
平然としていられる訳が無いだろう。しかし、これ以上無視をすると直哉から変に思われるだろし。
いや…だけど、気持ちの整理がつくまで会わないって決めて、一高に来たわけで。
クラクラする頭でなんとか【考えとく】とだけ、返事をして電源を切り、ベットに横になった。
最初のコメントを投稿しよう!