第二章

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部屋に戻ると、心なしかいつもより広く感じる。 …まだ約4ヶ月なのに、俺は尚吾に心を許す関係になっていた。 何か、不思議な感じだなぁ。と思いつつ自分の机に目をやると、着信を知らせるランプが点滅している。 「…メールか」 受信ボックスを開くと、【直哉】と受信相手の名前を知らせる。 はぁ…何だよ…母さんか姉貴に聞いてないのか。 クシャッと髪を掴むようにして椅子に座り込む。 「まだ…無理なんだって」 しかし、目を通さない訳にもいかず、内容を見るとさらに、心臓に悪い事が書いてあった。 【俺の彼女と、8月10日夏祭り行かないか】 ドクンドクンと、心臓の音が大きくなるにつれ、キーンと耳鳴りまでしてきた。 【彼女】…その響きはあまりにも衝撃的だった。しかも…8月10日から、部活は丁度5日間休みだ。 平然としていられる訳が無いだろう。しかし、これ以上無視をすると直哉から変に思われるだろし。 いや…だけど、気持ちの整理がつくまで会わないって決めて、一高に来たわけで。 クラクラする頭でなんとか【考えとく】とだけ、返事をして電源を切り、ベットに横になった。
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