第三章

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自分でもビックリするくらい、尚吾の声を聞いてホッとしている。癪だから、こいつには、言わないけど。 「で?どうかしたのか?」 「んー?要大丈夫かなーと思ってさ。心配して電話した。」 …本当こいつ良い奴だよな。 何で彼女出来ないんだか。 「大丈夫だっつの。お前こそ寂しいんじゃないのかー?」 アハハ。と冗談混じりで言うと、何の返事も無い。…引いた?怒ったのか?少し不安になりながら『尚吾?』と問いかけると 「うん。案外寂しいもんだな」 「…~~ッッ!///」 女だったら、落ちてたな! こいつの事、今度から、タラシと呼ぼう。 「恥ずかしい事、サラリと言ってんじゃねーよ!」 「お前から、言って来たんだろ」 「うっ」 俺が、何も言えず黙ると電話先でアハハと笑っている。 「そして、もう一つ話があってさ」 「なんだよ?土産?」 「いや、違う(笑)土産はちゃんと買ってくるから安心しろ」 「じゃあなんだよ」 しかし、『んー』と唸ったまま話が進まない。じれったいな! 「早く言え!」 「んー実はさ、要が帰省する日に俺も桜ヶ丘町行く事になってさ」 「マジか。奇遇だな」 桜ヶ丘町は、俺の地元だ。 尚吾の住んでる所からは、随分離れてるんだが。 「あぁ。婆ちゃんの家に行く事になってさ。前話したろ?」 そう言えばそうだった。車で30分位の距離で聞いた時ビックリしたんだよな 「へー。報告ってそれか」 「まぁ、それもあるけど。あのさ…その日に祭あるんだけど、祭り一緒に行けないか?」 、
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