第三章

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「久しぶり…お帰りか?」 直哉だ。4ヶ月振りの。 少しだけ髪が伸びたか?風で揺れるサラサラの少し伸びた茶髪。 …心臓が、有り得ない位早く脈をうっている。やっぱりまだ会うべきじゃなかったんだ。 「…うん。」 上手く笑えない。直哉の目を見れない。どうして来たんだよ。 「……要?」 名前を呼ぶな。4ヶ月振りの直哉の声。懐かしくて愛おしくて。 離れて、気持ちが冷める処か益々気持ちは溢れるだけで…そんな自分が情けなくて…これじゃ何の為に離れたのか分からない。そんな自分にイライラする。 「要っ!」 何も言わない。目を合わせようともしない要に痺れを切らし、俯く要の腕をひっぱる。 引っ張られた勢いで二人の距離が近くなり、思わず直哉を見上げる。 「っなにす」 「言いたい事があるなら言えよ!俺何かしたのか!?メールしても返事は無い。電話しても出ない!」 「…っ。返事…なら、したろ」 周りからジロジロと見られる。ヤバい、こんな所で言いあってたら、知ってる奴と出会うかもしれない。 なんとか早く此処から離れないと。 「あぁ!一回だけな!」 「ー~ッッ!分かったから。離せよ!目立つだろっ」 手を思い切り振り払う。 馬鹿か。変な噂たって困るのはお前なんだぞ。 俺にどうして欲しいんだよ。頼むから…これ以上俺を悩ませないでくれ…。頼むから…まだ、お前を失いたく無いんだ…。 だから… …そんな悲しそうな顔でオレを見るな。頼むから… 、
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