第三章

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そんな、両家両親四人を見てたのもあってか、俺達もずっとそんな感じで続くんだろーな。とガキの頃から思ってたんだ。だけど…そう思ってたのは、俺だけなんだと実感した。 「ほらー。また眉間に皺寄ってるわよ!カッコいい顔台無し!」 冷たい麦茶を、テーブルの上に置き俺の眉間に指を当てる。 「…要と喧嘩でもした?」 俺の隣に座り、切り出さない俺の代わりに的確に聞き出す。やっぱりバレバレだよな。と、ガックリとしながら弱々しく一度頷く。 「喧嘩…ってか、最近あいつの事が分かんなくなって来てさ。」 おばちゃんに今までの経緯を簡単に説明した。メールしても返事が無いこと。電話にも出ない。他の連中とは連絡を取ること。極めつけは、帰省するくせに祭りにも一緒に行くか分からない事。 おばちゃんは、うんうんと相づちを打ちながら聞いてくれて、一通り言いたい事を話し終わると 「なーに、やってるのかしらね。家の馬鹿息子は…。大丈夫よ直哉!あの子私らにも返事しないから。」 と、盛大にため息をつき麦茶を飲みながらそう言ってくれたが、浮かない顔をしていたのだろう 「…まぁ、確実なのは8/10日11:20着で桜ヶ丘駅に来るのは決まってるわ。」 「えっ!そうなの!?」 「そう。私がその時間に強制的に帰らせたから」 おばちゃん曰わく、8/10日11:20着で帰って来なかったら、今後一切仕送り無し!と言ったそうだ。 …相変わらず、見た目からは考えられないサディストだな。と、決して口には出来ない直哉。 要は、母由梨子(ユリコ)の遺伝を濃く受け継いで産まれた。【色々な意味】で。 、
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