第三章

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…何でこんな事に。 荷物を直哉に奪われ…じゃない。持って貰い久々に自宅までの道を歩く。 荷物を持たれて居るため、タクシーにすら乗れなかった。ムカつく ってか…有り得ない程暑い。自宅まで歩いて20分位だが。我慢出来るだろうか…。それもだが この沈黙が苦しい!!さっきの事もあり、互いに口を開かない。 チラッと隣を見ると、涼しい顔して歩いている。本当暑いの昔から平気だよな。こいつは。 あぁでも。久々の道だな…懐かしい。出て行く時は、もっと涼しかったんだけど。春の景色ではなく、夏の景色になっている道を歩き、昔良く遊んだ公園に差し掛かる。 小さな子供達が、夏休みだからか結構いて走り回って遊ぶ姿を見ると、昔遊んだ事を思い出す。 「…懐かしいな。此処」 「えっ!あー、そうだな」 ビックリした。同じ事思ってたのか。まぁ…昔は毎日日が暮れるまで遊んだからな。此処で。 「少し寄ってかないか?」 …早く帰りたいのだが。まぁ仕方無い。『あぁ』と簡単に返事をし空いているベンチに座る。 あ…そうだ。直哉の家に一応土産持って来たんだった。もうこの際直哉に渡しても良いだろう。 黙ったままの直哉から、土産の入ってる鞄を取ろうとすると 「なんだよっ!」 と鞄を横にずらし取られないように離す。…なんだよって。しかもそんなマジな顔して。 やば…我慢出来ん。 「ぶはっ!おまっ…それ俺の鞄じゃん。返せっての」 吹き出して笑ってしまった。 、
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