第三章

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尚吾-side 電話を切ると、また溜め息が漏れる。格好付けて、直哉君に会えと言ったが即後悔する。 「はぁ…後悔すんの分かって言うとか俺Mだったりして」 「は?あんたMだったの」 ケラケラ笑いながら、部屋に入ってくる三個上の従姉妹の茜。 …覗き見とか趣味悪。 「別に。茜に関係ないだろ」 携帯をポケットに入れ、兄弟達の様子を見に行こうとするとガッと腕を掴まれビックリして、茜の顔をみる。 「な、なに?どうしたの」 「…祭一緒に行ける、って女じゃないわよね?」 「……なんで?」 「だってあんたと、仲の良い女の子って見たことないし。彼女ともあんまり出掛けたりした事ないでしょ?」 ニヤリと笑いながら、間違って無いでしょ?と言わんばかりの顔。 くっ…あながち間違って無いから何も言えずに居ると、ニヤニヤした顔がグッと近くなる。思わず後ずさると 「何?どんな男の子なの!」 子供の様に目をキラキラさせながら言う茜に若干引く。 …どんな男の子? 「雪…が似合う男かな?」 初めて、要と会った事を思い出し正直に答えた事に、ハッとして口を慌てて押さえる。 「ふーん…そうなんだ」 …この顔。ろくなこと考えて無いときの顔だ。嫌な予感…。 、
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