第五章

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少しゆっくりした後、母親が買っていたらしい甚平を強制的に着せられ今は、直哉待ちだ。 最悪だ。つか何で白をベースに淡い花柄?俺男なんだけど? 髪の毛も弄られ、紫色のカラコンもつけられたし。こんな格好で祭りに行かないといけないのか? …拷問だろ! ーガチャ 「ただいまぁ!」 玄関が開く音が聞こえた後、懐かしい声が聞こえ扉の方に目を向ける。 少しして、扉が開き声の主と目が合うとビックリした顔をされた。 「…要…!?」 「お帰り姉貴。久し振り?」 そう言って笑うとタックル並みに、ソファーに座ってる俺に抱きついてきた。…その衝撃で『ごふっ!』と漫画のような声が出たのは仕方無い。 つか、俺の周りの女はタックルしながら抱き付いてくる奴ばっかだな。 「やだぁ!何?何?あんたその格好超可愛い!似合い過ぎよぉ」 ミシミシ骨の音鳴ってないか?あ、気のせい?いや、正直骨折れそうな位の力で抱き締められてる訳で。 「く、ぐるじ…はなせ、馬鹿」 「あら。意地悪ね!久し振りの再会なんだから良いじゃない」 …そう言って笑った顔は妖艶で、男なら簡単に虜に出来そうな雰囲気を持っていて、自分の平凡振りが悲しくなっても可笑しくないよな?
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