第五章

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「嬉しくない褒め言葉ありがとう。‥てか、今日こっちに来たんだな。一人暮らしどう?」 なんとか、くっついて居た姉を退かし近況を聞き出す。 「まぁまぁね。実家がどんなに楽か分かるわ。まぁ、その分好きには出来るけどね?」 それから、彼氏の惚気話に付き合わされた。ちなみに、一度会った事があるがイケメンだった。 ‥まぁ、彼氏とも上手く行っているようで安心だ。 「‥要は?好きな人でも出来た?」 ‥好きな人ならずっと昔から居るよ。姉貴も良く知ってる奴。 「んー、微妙だね。」 姉貴の話を聞けば聞くほど、やっぱり俺のこの感情は、あってはいけないと思い知る。顔を逸らし苦笑いを浮かべる。 「‥要?どうしたの?」 「え?何が?」 不意に前髪を上げられ、俯いていた顔を上げると目が合う。 「‥あんた、私がこんな話題を出すと毎回曖昧な返事しかしないわよね?」 ドキッと鼓動が高鳴る。 そうだったのか。今まで上手く誤魔化せて居たと思って居たが、姉貴の目は誤魔化せて居なかったらしい。 「‥そんな事はないよ?ただ本当好きな女の子は居ないんだ」 「‥女の子には?異性には居ないわけね?」 ‥しまった!慌てて口元を抑え目線を外す。 最悪だ。 上手く言えば良いのに、テンパって言えない。 姉貴は、本当変な所に敏感なんだから。嫌になるよ。 「ち、違うだ!そんな意味深な事じゃ‥」 取り敢えず否定しようとしたが、細い指を俺の唇に触れるように置いて、優しく微笑む。 、
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