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「嬉しくない褒め言葉ありがとう。‥てか、今日こっちに来たんだな。一人暮らしどう?」
なんとか、くっついて居た姉を退かし近況を聞き出す。
「まぁまぁね。実家がどんなに楽か分かるわ。まぁ、その分好きには出来るけどね?」
それから、彼氏の惚気話に付き合わされた。ちなみに、一度会った事があるがイケメンだった。
‥まぁ、彼氏とも上手く行っているようで安心だ。
「‥要は?好きな人でも出来た?」
‥好きな人ならずっと昔から居るよ。姉貴も良く知ってる奴。
「んー、微妙だね。」
姉貴の話を聞けば聞くほど、やっぱり俺のこの感情は、あってはいけないと思い知る。顔を逸らし苦笑いを浮かべる。
「‥要?どうしたの?」
「え?何が?」
不意に前髪を上げられ、俯いていた顔を上げると目が合う。
「‥あんた、私がこんな話題を出すと毎回曖昧な返事しかしないわよね?」
ドキッと鼓動が高鳴る。
そうだったのか。今まで上手く誤魔化せて居たと思って居たが、姉貴の目は誤魔化せて居なかったらしい。
「‥そんな事はないよ?ただ本当好きな女の子は居ないんだ」
「‥女の子には?異性には居ないわけね?」
‥しまった!慌てて口元を抑え目線を外す。
最悪だ。
上手く言えば良いのに、テンパって言えない。
姉貴は、本当変な所に敏感なんだから。嫌になるよ。
「ち、違うだ!そんな意味深な事じゃ‥」
取り敢えず否定しようとしたが、細い指を俺の唇に触れるように置いて、優しく微笑む。
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