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「なに?」
何とかいつも通りに返事をしているつもりだが、大丈夫だろうか…
すると要は少し眉をひそめ
「体調悪いのか?さっきから様子変だけど…」
心配そうな顔に罪悪感が…
こんな時に限って麗香来てねぇし。あいつ本当タイミング悪いよな。
まぁ、こんだけの人混みだし迷っても仕方ないのかもしれないが…
「悪い…平気だから。ただ麗香来てねぇから、少しイライラしてた。」
微笑して、ポンッと頭を撫でると『そっか…なら良いけど』
と言って携帯を取り出し触り始めた。
嘘は…言ってないしな。
何とか誤魔化せた。と安心しきって気付いて居なかった。
要が今にも泣き出しそうな、戸惑った顔をしていたことに。
それから、五分程して漸く麗香が待ち合わせ場所に現れた。
「ごめん~!準備に想像以上に時間掛かっちゃって!」
何時もの調子で謝ってくる麗香に、溜め息をつく。
浴衣や髪、化粧をすればそりゃ時間掛かるだろうな。俺は絶対無理だわ。
「ったく。気をつけろよな。待つの嫌いなの知ってんだろ。」
そう言うと、『ご、ごめんね!気をつけるから』と慌てて謝り少しシュンとしたようにみえる。
「ちょ、直哉言い過ぎだ。」
そう言って肘で小突いてくる要。
…あぁ。このやりとりも数ヶ月しか経ってないのに凄く久々に感じる。
要には、いくら注意されてもイラッとはこないんだよな。
「ハイハイ。悪かったよ。」
微苦笑をして素直に謝る俺。
それをみて、ビックリした顔をする麗香。……まぁ謝ったからだろうがビックリしすぎだろ。
そんな麗香に気付いたのか
「あ、自己紹介してなかったね。俺、鈴谷要って言います。宜しくね。」
…ニコッと微笑む要。
本当王子みたいだよな。中学ん時女子がそう、騒いでいたのを思い出す。
「あ、私は佐々木麗香です!こちらこそ宜しくお願いします!」
顔を紅くしながら、自己紹介をしペコッと要に頭を下げる麗香。
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