第五章

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二人に背を向け歩き出すと、ガッと思い切り腕をつかまれ、振り向くと怒った直哉が俺を睨んでいる。 「…意味わかんねぇ。俺、最近の要がわかんねぇよ。」 俺の前で増えた 直哉の困った顔。戸惑った顔。 大好きな笑顔はあまり観てない 誰よりもただ、好きなんだよ 「直哉が。」 「…は?」 言葉に出せないモドカシサ。 掴まれた手から伝わる体温。 ヤバイ…涙がこぼれそうだ。 直哉にみられたら終わりだ…! …ッッ!どうしたら、 「すいません。要連れて行きます」 その言葉と同時に訪れた闇。 優しく目を覆われたのだと理解した。 そして、目に伝わってくる直哉より高い体温の手の温もり。 そして、その手の平を濡らしていく涙。 、
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