第五章

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…え?何がおきてる? 目の前には尚吾の顔が… キス…されている。 理解するまでに数秒間掛かったが、理解すると同時にドンッと胸を押し返す。 意味が分からない。 「ふざけんなっ!冗談にしてもタチ悪いぞ!からかってんのかよ!」 尚吾はこんな事する奴じゃないと、思っていたのに。 裏切られた? 涙がこぼれ落ちるが気にしない。何で?信用してた。誰よりも。 俺を裏切った…何で? 「違う!」 あまりの真剣な表情に、そして声を荒げて言われ何も言えなくなった。 ビクッとしたのが分かったのか『…あ、ごめん』と困ったような顔をして謝られた。 「違うんだ…ごめん。俺…」 後ろで花火の音が聞こえる。そして俺の頬を伝う涙を指ですくいながら 「…俺は、要が好きなんだ。恋愛対象として。」 静かに…だけど目は真剣で何かを決意したような、目の奥で何かがもえているようにみえた。
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