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「あ、う…ごめん!俺帰る」
バタバタと花火をまともに見ることなく逃げるように走り去る。
もーやだ。
心臓ドクドクして五月蝿い。
手の甲で口を抑えながら、静まれ静まれと言い聞かせながら走るのだった。
俺が走り去った後『可愛すぎるだろ…何アレ』とへにゃりと情け無いくらいに、頬を緩め尚吾が笑って居たことを俺は知らない。
------……
直哉side
…一体あれは何だったんだ。要を連れ去って行った男。
ギリッと無意識に歯を噛みしめる。
要を見るあの目。まるで大切な奴を俺から守ろうとしていた。
ムカツク。要も文句一つ言わず後を付いて行ったし。意味が分からない。
どうしてあんな奴を俺より優先した?あいつの方が大事なのか?
高校に入って要は変わった。
あいつの影響か?
「絶対許さねぇ」
「…え?直哉?どうしたの?」
裾を掴んできた麗香の腕を振り払い『帰る』とだけ告げ帰路につく。
イライラし過ぎて頭を冷やさないと、要を傷付けそうだ。
…ちゃんと話がしたい。
昼間はあれで満足したが、ちゃんと話し合わないと今の要を理解出来ない。
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