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要side
-コンコン
と静かに音が響く。
ベランダから…。心臓が大きく高鳴る。文句を言われるのか?
…カーテンに手を伸ばすが躊躇(ちゅうちょ)してしまう。今直哉の顔は観たくない。
あれこれ考えていると再度コンコンと音が鳴り『要…居るだろ?鍵開けろ』と柔らかい声。
それに導かれるようにカーテンを開けると真剣な顔をした直哉が立っていた。俺が帰ってくるの待ってたのか?
カラカラと扉を開け中に入れる。
「…遅かったな。この不良息子」
「う゛…ごめん?」
もう怒ってないのかな。チラリと様子を伺うがわからない。
そして…やっぱり俺が帰って来るのを待ってたんだ。
俺のベットに腰掛けると『で?』と口を開く。
「こんな時間まで何してた?」
そう訪ねられ、また思い出しカァアっと顔が熱くなる。
その反応にピクリと直哉の眉毛が動く。
「…どうした?言えないのか?」
ピリピリとした空気。ヤバい…直哉切れかかっている。
でも…男友達に告白されてました!何て言えるわけ無いだろ。
「…ごめん」
言えない。直哉には何も言えない。
お前が好きな事も。
友達に告白された事も。
お前の彼女に嫉妬してる事も。
直哉…お前には秘密にしていることだらけだ。
「ごめん…」
顔を見れず、俯いたまま謝ることしか出来ない俺。
「ッッチ。ふざけんよ」
そう、低い声が聞こえたと同時に床に押し倒される。
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