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いきなりの事で放り投げていた鞄に頭を打ち、尻もちまで打ってしまった。
「…ッッつぅ~!」
痛みに顔が少し歪んだが何とか片目を開けると
俺の顔の両側に手を突き、冷めた目で見下ろす直哉の顔。
あまりの冷たさにゾクッとしてしまう。直哉に今までこんな目を向けられたら事があっただろうか?
…怖い。初めて直哉に恐怖を抱く。
「なお…」
「なぁ…お前あの男が好きなの?」
その言葉を聞いた瞬間頭がフリーズする。言葉が思い付かない。
まさか、直哉にこんな事を言われる日が来るなんて…。
何とか首を左右に振る。
誤解はされたくない。
「ふ~ん…じゃあ何で顔赤くなったんだ?何で俺を避け始めた?」
「赤くなんてなってな…それ、に…避けて、なんて」
上手く声が出ない。情けなく声まで震えている。
その間にも直哉の胸を押し退かそうとするがビクともしない。
「誤魔化すな!」
腕を捕まれ怒鳴られる。
涙まで出てきたが左右に首を必死に振る。
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