第六章

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「ごめん。要…泣くなよ…」 弱々しくなっていく声。涙で霞む視界の先に歪んだ直哉の顔。 あ~、またこの顔。 …言ってしまおうか? もう直哉のこんな顔みたくない。 隠すのも疲れた。 俺は…直哉お前の優しい笑顔が大好きだから。俺のせいで笑えないなら …気持ちを伝えて、離れよう。 何時になるか分からないけど、また【親友】そう言えるようになるまで。 俺の離れたく無い。そんなエゴでお前を傷付けて良いはずが無いよね。 「…直哉?ごめんな」 「かな…め?」 直哉の頬にそっと両手を添えると、不安気に揺れる瞳。 どんな結末になるか分からないが 漸く(ようやく)解放されるのかもしれない。この気持ちから。 「俺ね…直哉が…好きなんだ」 、
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