第六章

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直哉side 『好きになってごめんね』 涙を流しながらも綺麗に笑う要。スルスルと離れていく俺より体温の低い、要の手の温もり。 …何て言えば良い?要が俺の事を好きで居たなんて思いもしなかった。 『直哉~!起きろ!遅刻するよ』 『彼女大切にしろ!』 『お前を勘違いされたくないよ?直哉の事大切なんだから』 『…俺一蘭高校に行く。』 お前の深い愛情を受け、俺はお前を限界まで追い詰め傷つけた。 初めて彼女出来た時も、こいつは笑って『おめでとう』と言った。 俺は…何て残酷な事をしていた。 お前は自分を気持ち悪いだろ?と言ったが、そんな事は無い。 でも…付き合えない。 「要…俺は……そんな目で見たことは無い」 恋愛感情は無い…でも違う所でお前の事を一番大事に思っているのは事実だ。 『知ってるよ』と笑う、要の涙を拭うことも 抱き締めたい。その衝動に駆られるが俺がして良いわけがない。 「…悪い。もう帰ってくれる?疲れたんだ。今日は」 「…あ、要…」 、
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