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「そやな、‥お前と仲よぉしてんのが嬉しい反面、‥何や、‥妬き持ちやくけどな。」
「そうみたいやな。‥‥けどな、正直にゆうとや‥‥あれや、‥そのな、‥‥」
「クスッ。‥何やねんな、歯切れの悪い。」
言おうかどうかを鼻の頭を掻きながら思案しているようだ。
やっと重い口を開き、
「まっ、‥そのな、コイツのゆうてる事は全部俺が溜めてた言葉や‥‥」
「ン? どうゆう事なん。」
「コイツの妬き持ちの妬き方も、‥その‥お前に格好良く見せたがるンも、‥‥コイツのしてる事、ゆうてる事全部や‥‥俺の想いの塊みたいやな。‥」
ゆっくりとした口調で穏やかに話す。
「‥そうなんや。‥‥なぁ、このまんま、この子大事にしててもええ?」
「ン?」
「やって、お前の‥‥‥俺への想いなんやろ?‥‥やったら俺大事にしてあげたいねん。‥ずっと、‥」
驚いた様に俺の顔を見上げて、
「ありがたいけど、‥お前、苦労すんで?」
「何でなん?お前が二人も居って、両方からも愛されて‥‥‥こんな幸せな事ないで。‥贅沢過ぎるで。」
「‥ありがと。」
俺の膝の上で俺の指を握り俺を見つめる。黙ったまんまやと、可愛いたかちゃんと重なる。
‥そうなんや、俺ってホンマに幸せ者や‥
純粋に真っ直ぐに、嘘もなく愛してもらえるなんて
それも、その想い自体が現実化して囁いてくれる。‥
思わず抱き締めてしまったので、アイツは照れ隠しに怒鳴る。
「やめろや!!死ね!ボケッ!」
罵詈雑言をぶちまけるが俺にとっては愛情表現にしか思えない。
俺は微笑んで「ぅん、ぅん。」と頷く。
「好きやよ。‥いっつもお前しかみてへん、‥‥最高に格好ええで。」
と 、囁くと満足そなアイツが
「当たり前じゃ。‥‥俺もお前しかみてへん、‥‥最高に格好ええ‥‥‥お前を愛してンのは俺だけじゃ。‥‥」
と、小さく囁く。
「そやな、‥‥ぅん、ありがと。‥」
としか言えなかった。嬉しくて返事に詰まってしまった。
けど、胸に染み渡る暖かな気持ちになった。‥‥
───終り───
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