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「しんどいンやったら、喋らンでええ。」
苦笑いしながらそういうと、目尻にキスをおとす。
「さっきのは、お前への預りもんや‥…
ヤキモチ妬くンは俺の方やでぇ」
頭を抱えて髪に顔を埋めて囁く。
「‥そうなン? 告られたんとちゃうんや‥
‥よかった…」
長い間そうしていた。呼吸がだいぶラクになったのだろう、身体を起こしコッチを振り返る。
聞きたい事は山程あるが、黙って袋を渡す。
言いたい事が山程あるが、黙って袋を開ける。
「‥ナンや、アイツかいな‥紛らわし」
拍子抜けしたように安堵する。
「誰なン?‥」今度は、俺が聞く番だ。
声にささくれがあって、うまく聞けない。
そんな俺に、優しくニッコリ笑い、
「行き付けの整骨院の娘さんや。矯正ベル
ト頼んでてン。愛想のない子やったやろ
同じ学校やったンや」
「愛想ないんはお前やろ。暗い顔してるか
ら、声かけられへんのとちゃうか」鼻で笑ってやった。
‥はぁ、アホみたいやン。昨日からコイツにペ
ース乱されとる。
着替えて帰ろかと立ち上がる。
チラッとこっちを向いてなにか言いたげに目を伏せる。
「ナンやー!はょ着替えて帰ろや」
座ったままでゆうと
「アッ‥アッチ向いてて‥くれヘン‥かな? 」
真っ赤になって遠慮がちに見る。
「なっ‥アホか! 変に意識さすなっ!この
オカマがぁー!」
恥ずかしい事をいいよる。その気があるンか、ないンか‥わからんわ‥
「やって俺、嫌われたないやん! みっとも
ないトコばっかで、昨日も無防備過ぎって
怒らせたし、オマケに嫉妬しただけで発作
出るし、不健康に色白やし、暗いし、迷
惑ばっかで‥やから‥」
下を向いて、
「‥好きって‥ゆうてもゆうてくれへンやン
‥それやのに‥優しいし‥」
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