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いきなりの不機嫌そな声。
「ナンやねん!‥」横のドアを蹴る。
「いきなりどうしてん‥」
慌てて顔を覗く。
「うっさいわ!黙ってい!!」
‥よう解らん‥機嫌悪なるよな事あったか
少し後ろを歩く。
雨が小降りになっていてもうすぐやみそうだ。
「‥何をイライラしてんねんな。」
「‥黙っとれ。」
ゆっくり駐輪場に歩く。機嫌が悪いコイツと違って、俺は緊張していた。
‥何てゆうて明日誘おか?
昼からは休みやってゆうてたよな。
自転車にカバンを積み、二人並んで帰りかける。
話すキッカケが見つからない。
「‥あのな、明日どうすんねん。」
思いきって聞いてみる。
チラッと一瞥されて、
「部活や!」
‥はぁ~やっぱり‥
制服のネクタイが息苦しく緩める。大きく息を吐くと先ほどの(仮)の印が熱く感じる。
‥大丈夫や、俺にはコレがあんねん。
「なぁ‥昼からどっか行かへん? 」
「‥‥」
真っ直ぐ前を向いたまま返事がない。
「ナンかキレてンか?」
「うっさいわ‥‥」
「ゆわな解らんやン‥‥腹減ってんか?」
「ちゃうわ‥ボケッ!」
止むであろう雨は、小降りから雨足が早くなった。近くの公園の東屋に駆け込みカバンからタオルを取り出す。
いきなりの事態につい舌打ちがでる。
チッ‥横目で藤原を見ると、無造作に髪を拭いている。
‥何してても絵になんなぁ‥
けど腹立つな ナンやねんベタベタ触りやが
って!お前も嬉しそな顔すんなよ。
視線が合いバツが悪くソッポを向く。それを見て、クシャッと笑い俺のタオルを取り、頭を拭いてくれる。
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