美術の時間…再提出②

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大きな手でワシャワシャと少し乱暴に拭く。 それが心地よく前を向いたままアイツの嬉しそな口元を見つめる。 「ちゃんと前向いてや~」 「‥前向いてるけど‥」 「えっ!後ろ向きなンとちゃうん?」 「コッチ前ですから!」 「アハハ~黒~て前か後ろか解らへんやン」 アイツは大袈裟に笑いながら少し屈むと …チュッ… 「へっ?」 一瞬で何があったか理解出来ない‥ 少し照れたアイツが 「ホンマや‥エロい唇があるわ‥‥」 そう言ってもう一度顔が近くなる。 パァンッー! 両手で頬っぺたを挟み思い切り変顔にしてやった。 「アハハ~めっちゃブサイクーー!」 口を尖らさせたまま 「にゃにふんの~」 「お前に2回目はない!」 そう言って手を離すと 「俺からは、1日1回なン?」 目を丸くして訊くので、思わず 「そやね~」と言ってしまった。 文句を言いたげにブツブツと腕組みをしていたが、急にコッチを振り返って 「じゃぁ明日昼からどっか行かへん?」 「ナンでやねん!」 ニヤッとして 「じゃぁ~明日の分‥今してもええ?」 「アカンわーー!」 じゃぁ明日、アカン、じゃぁ今、アカン、‥を繰り返す。 アイツは目を細めて低く唸ると 「かまへん!明日O寺駅前1時やから!」 「はぁ~?行かへんよ」 「ずっと待っるから、けぇへんかったら‥  泣くからな!」 「ナンやねんそれっ!オカマやン」 二人並んで座ってアホなやり取りするのが楽しくて、雨が止んだのに気付かなかった。 終り。
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