上手なチョコの渡し方 ///‥

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雰囲気が変わって辛そな顔になり、ボソッと小さい声で 「‥チョコもろたンや‥‥」 「エッ?今何てゆうたん?」 聞き取れなく聞き返すが 「何もない、チョッと頭痛いから寝る‥」 ベッドに横になり背を向ける。 「どしたん?熱上がったン?」そう言って額に手を伸ばそうとして、振り払われる。 「‥もうええから‥帰れや」 冷たく言い放たれ、何が何だか訳がわからない。 「何ッやねン!いきなり何、機嫌悪なってンねん!」 肩を掴んで振り返らそうとするが、布団を被って同じ言葉を繰り返す。 「帰れや!用ないンやろ。」 言うてる意味がわからん‥ けど売り言葉に買い言葉。 「ほなっ!帰るわ!!」 そう言って鞄から包みを取りだし、布団に投げつけて部屋を出る。 玄関で靴を履いていると、後ろから抱き締められた。 「‥なんっ‥」 「‥帰らんとって‥‥」 前に回した手を見ると、先程俺が投げつけた包み。 「‥ごめん‥ホンマにごめん‥俺‥」 背中のアイツが震えている。 キツく回したアイツの手をゆっくりとほどき向きを変え、頭を抱き抱える。 「また、熱上がンで ‥ほら部屋に戻り‥」 「いややァ‥帰らんとって‥」 まるで子供のようだ。こんな玄関先でずっといてるわけも行かずに、 「わかったから、部屋イコか‥」 髪をクシャッと撫で立ち上がる。
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