上手なチョコの渡し方 ///‥

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「‥ごめんな、勘違いして俺、てっきり自慢しに来たンやと‥」 「何や、鞄の中見えてバレてたンや。」 ベッドに二人並んで座り、包みのカードを開く。 《一裕へ‥早よ元気になれ!!》 読んでから、嬉しそにクシャクシャの笑顔で、 「ありがと‥俺も用意してあったンやで。」 立ち上がり鞄の中を探る。 小さなめの包みを取りだし渡す。 「ありがと‥開けてもええ?」 「おんっ」 中身は、惑星の形のチョコ。 「ンウフッ‥中にな少しお酒入ってンやって。」 微笑みながら、酒‥好きやろ? と言われ、アホか、未成年ですっ! 「へぇ、綺麗やなぁ。食べンの勿体ないやン‥」 「俺のも、可愛いなぁー。犬って‥」 「あっそれな、お前によぉ似てるやろ。」 「俺、犬なン?」 そう言い合いながら、たわいない話をしていた。 が、続かず沈黙が流れた。 二人に穏やかな空気を感じた。 横に座る…当たり前な事がこんなに幸せで、温かい気持ちにさせる。 「‥なぁー明日は学校来る?」 「‥おんっ」 「あんまり無理しなや‥」 「‥おんっ」 何だか、日向でくつろいでいるみたいに温かい。 「俺は‥待つこと何かでけへんやん。だから……」 いきなり唇が重なる。 そして、耳元で‥ 「休みやったら、連絡してや…無茶苦茶心配やってンで‥」 首に抱きついて離れない。 「‥風邪‥うつンで‥」 「うつしてや‥」 そう言って、ベッドに二人倒れ込んだ‥‥ 終‥‥
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