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4月も終わりだというのにまだ少し肌寒い。居心地の悪さを感じながらベンチに座り、
遅いなぁー… 時計を見ると
15分は経ってンでぇー…
…厭な予感がした…
…まさかな‥‥
学校帰りの小学生とスレ違う。子供と自分が重なり思い出したくも無い出来事が甦る‥
‥…学校帰りの《かくれんぼ》俺は、いつもおいてけぼりを くらっていた。
子供は残酷なもので、面白い、只、其だけの事でターゲットを絞る。
何度も‥何度も‥忘れた頃に繰り返す‥
夕暮れの公園‥
いつまで待っても。
探しに来ない‥鬼‥
一人取り残された‥俺‥
涙が出そうになるのを堪えながら、急ぐ家路。
帰り道で合った‥友達
‥いや ちゃうわ
友達やと信じてた奴や
「あっ!藤原ー!今まで隠れてたんか~?」
嘲る様に言われた。
「ちゃうわーー!用事じゃー!!」
‥それしか言えンかった。
腹が立つと云うよりも、あんな奴を≪友達≫と信じてた自分が惨めだった。
裏切られる位なら、信じない。
騙された振りして、騙したる。
‥ひとりで泣いた夜‥
‥あぁ ホンマの友達なんかでけへんねんや‥
って思った夜。
‥別に友達なんか要らへん‥って思った夜
「アカン 泣きそやわ‥」
時計を見ると30分以上経っている。
口元が歪み、気持ちが沈む。
ヤッパ 井本もアイツ等と同じナンかな?
…ショックやわ…
アホみたいに、心の中で期待してしもたわ
‥井本はちゃうって、おもいたかったんや
‥ホンマに‥
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