放課後の買い食い

8/11

71人が本棚に入れています
本棚に追加
/384ページ
‥はぁー ホンマにコイツはナンやねんな‥ 息を整えながら、トラブルの張本人を見る。 怒りが収まって無いのだろう。動物園のクマのように ウロウロしてる。 「くそっ!ぁあ"あ"ーーー!  腹っ立つわーー!!」 まだ、暴言を吐いてる井本を見て ため息を洩らしながら俯く。 …はぁ‥えらい奴と関わってしもうた… ふと、視界が影になり顔を上げると 目の前にたこ焼きの入った袋を渡された。 「藤原の分や」 「おん‥ありがと‥いくらや」 「払ってへん! ただや!」 「はぁー!?何でやねん!」 俺は頭を抱えながら ‥一体 ナンやねん‥ 呆れた顔をして、笑ってしまった。 イタズラッ子の《ドヤ顔》を、可愛いく思えたのだった。 「‥でもな‥「でもやない!」」 「‥ちゃうって‥「ちゃうやない!」」 「話し聞きイやー」 「あーもうホンマにこの子は!おと-さ-んー  話聞いちゃって アタシじゃアカン!‥ホンマに   もう三者面談の時もそうやった!」 「ナンやねん!ウチのおかんか!」 井本が笑いこけながら、たこ焼きを食べ始めた。 俺も一緒に笑って食べ始めた。 お互いに爪楊枝を刺すと 「「ナンやこれ!カッチカッチやン!!」」 冷めきったたこ焼きを二人で食べた。 井本は始終文句を言ってたが、俺は胸がつかえて‥冷たい筈のたこ焼きなのに、何故か食べると胸がが熱くなった。 ‥放ッとかれたんと違ったんや‥
/384ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加