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どんなに宥めようと、僕が悪い、かずくんに嫌われる、ごめんなさい、しか言わない。
‥俺の居らん間に何があったンやろ
「‥たかちゃん‥かずくんな、何があっても嫌いにならへンで。ずっと好きやょ。やから‥ここ開けて、せやないとたかちゃんをギュゥッて抱っこでけへんやン?」
元々、低い声が更に低くならへんように、気をつけてゆっくり話かける。
「かじゅくん‥グスン、ホンマに‥おこ‥りゃへん?きりゃいになりゃ‥へん?」
「大丈夫や‥安心してや。かずくんは絶対怒らへんし、嫌いになったりせぇへん。」
もたれたドアから離れて反対側の隅に逃げて膝を抱えている。
ゆっくり中に入り、傍による。肩に手を置くと、身体が大きくビクつく。
「たかちゃん‥何があったン?服もびしょ濡れやし‥‥シャワー使ったン?」
目の前に座って尋ねる。
「‥ちゅかった‥グシュ、ごめんなしゃい‥おねぇがい、やからかじゅくん、きりゃいに‥なりゃンとって‥‥もうせぇへんかや、ゆうことききゅかりゃ‥‥グシュ。」
涙でぐしゃぐしゃでなにをいってるのかもわからないぐらい、泣きじゃくって俺に謝り続ける。
服が濡れるのも気にせずたかちゃんを膝に乗せて抱き抱える。ソッと背中を擦りながら落ち着かせようとするが、
「‥かじゅくん‥グスッ、ぬれるかりゃ‥アカンの‥かじゅくん、だめやの‥」と言って俺から逃げようと暴れる。
「たかちゃん‥大丈夫やから、ジッとして。俺濡れても平気やし、心配せんでええよ。大好きやょ。せやから、教えてや‥」
頭を抱き抱えるように抱き締めた。
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