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駅のホームに着くとO寺発の電車が止まっていた。
‥ついてるやン 寒い中待たンでええわ
珍しくガラガラに空いた席に座ると、顔がニヤケてくるの感じた。
…ヤッパええ奴やンなぁー‥
掴みどこの無い奴やけど‥
ンウフッ‥ナンか嬉しいわ 今までやったら
あのまんま 放置やもんな。
次の約束までしてもうた‥
こんなん‥初めてや‥
ピィ~ジリリリー プッシュー!
電車がゆっくり走り出す。
窓に目をやると夕陽が山に隠れてうっすらと紅い。
それに連れてO寺の街並みも薄紅色に染まる。
自転車に乗る井本の後ろ姿が見えた気がした。
「また 明日…か…」
ンフフフ‥照れくさくなり俺の顔も薄紅色に染まった。
‥ひとりで泣いてたガキの頃の俺に
教えてやりたいわ‥
‥ホンマモンの友達は諦めんでも出来るから
‥でもな、ナンや友達だけやとな
淋しい気がすんねん‥‥
終
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