71人が本棚に入れています
本棚に追加
‥気兼ねせんでええッてゆうたけど、手土産くらい欲しいやろ。
そう思い近くのケーキ屋へよる。
‥定番やけど、プリンかな?モンブラン?あぁ、取り敢えずそやなぁ‥
「あの‥これください。あとは‥」色々取り混ぜて4つ‥‥
「ありがとうございました。」
ケーキの入った箱を揺すらないように早足で急いだ。
玄関先で深呼吸をする。インターフォンを鳴らそうとした瞬間玄関が開き井本の兄貴?が出てくる。
「貴史の友達?」
「はいッ、あっ、初めまして‥」
フーン、と言って俺を上から下までジロジロと見る。
「なんか、いつもの奴等とちゃうタイプやなぁ‥、俺、追い出されるからてっきり彼女出来たと思たけどな‥」
「‥えっ?」
ブツブツ言いながら、
「昨日から様子変やし、‥あの浮かれかたといい、追い出されかたといい‥‥ちゃうの?」
「‥ど、どういう意味ですのん?」
聞いていると玄関からいきなり
「兄貴!チンタラしてンと早ょ行けや!」怒鳴り声と共に出てくる。
あっ‥‥気不味い顔をして
「よっ、藤原。中入りや。‥」
俺に勧めてから、兄貴を睨み付け
「早よう、行けや!‥」
それから小さい声で
「余計な事をゆうてへんやろな。」
わざとらしく目を丸くして、
「えっ?心外やなぁ‥」
「チッ!‥」
「じゃ、藤原君またな。」
手をヒラヒラさせて出掛けた。
最初のコメントを投稿しよう!